2012年12月10日

飲茶が考える理想の議論のやり方(2)

前回記事:理想の議論のやり方(1)

25 名前: 飲茶 投稿日: 2012-12-04 12:34:02
騎士(議論参加者)は、王(スレ主)と対立してはならない

これはいったいどういうことだろうか?
そもそも、主張を述べた相手(スレ主)と対立しないで、
反論』なんてできるのだろうか?

私は、『できる』と考える。

ちょっと、議論を『将棋』にたとえてみよう。

王が、こんなことを言ったとする。

「私が考えた、この布陣(コマの配置)はどうだろう。鉄壁だろう?」

この王の主張に対して、
周囲の人々がこんなふうに反論したとしよう。

反論者A「いやいや、ここに穴があります。こう攻めたら、ほら……終わりです」

反論者B「全然鉄壁じゃありません。こっちにも穴があります。
 こう攻めたら……、あなたはどうするんですか?」

私は、こういう反論は『ダメ』だと思う。

言い方も丁寧で、内容が妥当であったとしても……

私は、こういうニュアンスの反論は全部ダメだと思う』。

26 名前: 飲茶 投稿日: 2012-12-05 10:16:58
私が考える反論の『作法』はこうである。

まず、騎士(反論者)は、決して王の反対側の席には座らない。

騎士(反論者)は、あくまでも王(主張者)の『味方』であり、
身内』であり、王と『同じ側の席』に座っていなければならない。

ゆえに、反論は、次のような形式となる。

騎士A「王様、仮に敵が攻め込んでくるとしたら……、
 おそらく、ここに弱点があるとみて、こう攻めてくると思います」

騎士B「もしくは、あっちの方から攻めてくるという手も考えられます」

すなわち。
「反論者自身が、対立者として王の主張の問題点を『指摘』する」
のではなく、あくまでも、王の身内の立場として
「仮想的な敵としての対立者を想定し、
 その対立者がどんな反論を述べてくる可能性があるかを『提示』する」
のである。

私は、これが『正しい反論の作法』だと考えている。

27 名前: 飲茶 投稿日: 2012-12-05 22:35:51
さて、騎士から『反論の可能性』を提示された王は、
その反論の反論、すなわち『擁護』の理屈を考えなくてはならないが、
反論者である騎士は『身内』なのだから、
なにも王だけが『擁護』を考える必要はないだろう。

というよりも、むしろ、

反論』を提示した人も含めて全員で『反論の反論を一緒に考える

のが正しい王国(スレッド)の姿である。

これを将棋にたとえると、こういう形になる。

王「というわけで、敵は、A,Bのいずれかから攻めてくることが
 特定できました。では、いったんAに話を絞りましょう。
 Aはこちらにとって厳しい手ですが、どういう対応策が考えられるでしょう」

騎士A「うーん、私なら、こう返しますね」

騎士B「もしくは、こういう返し方もあるかと」

王「では、それぞれについて、ひとつひとつ吟味していきましょう。
 Aに対して、Xという返しをしました。
 さて、このXという返しに対して、どういう問題が考えられるでしょうか?」

28 名前: 飲茶 投稿日: 2012-12-06 10:06:06
・『反論者自身が、対立者になってはならない

・『反論者は、あくまでも身内の立場として、反論の可能性を提示する

・『反論を述べた人も含めて、みんなで反論の反論を考える

さて、このような原理で『王と騎士』が議論(反論と擁護)を重ねていくと、
以下のようなイメージで、『議事録Wiki』は枝を伸ばしていくことになる。

(例1)

主張「アイデア]を適用すれば原発は根絶できる!」
 ⇒反論A
  ⇒擁護A−1
   ⇒反論A−1−1
   ⇒反論A−1−2
 ⇒反論B
  ⇒擁護B−1
   ⇒反論B−1−1
    ⇒擁護B−1−1−1
     ⇒……

(例2)

問題提起「原発を安全に利用するにはどうすればよいか?」
 ⇒解決策1
  ⇒問題点X
   ⇒擁護X−1
 ⇒解決策2
  ⇒問題点Y
  ⇒問題点Z
   ⇒擁護Z−1
    ⇒反論Z−1−1

※上記は、あくまでテキスト上でのイメージ図である。
本来の『議事録Wiki』は、
もっと視覚的に見やすい高機能なWikiを想定している。

王(スレ主)は、『議事録Wiki』の管理者である。

王は、議事録Wikiにおけるこの「木の枝」、
すなわち『議論の大樹(ユグドラシル)』を
大事に育て、元気にし、
美しくのばしていくことについて責任を負わなくてはならない。

29 名前: 飲茶 投稿日: 2012-12-06 10:06:53
以上までが、『(2)核心的な反論』についてである。

スレ主(王)の主張について、核心をついた反論があったとき、
王はどうするべきか?

結論は以下である。

・議事録Wikiにその反論を掲示し、その反論の反論をみんなで『一緒』に考える。

30 名前: 飲茶 投稿日: 2012-12-07 00:01:45
(補足)
反論者は、あくまでも身内の立場として、反論の可能性を提示する

ところで、なぜ反論者は『わざわざ身内の立場』として、
反論を述べなくてはならないのか?

その理由は単純である。我々が『未熟』だからである。
我々が『反論されると感情をかき乱される心の弱い動物』だからである。

「そんなことはない。まともな反論であれば、ぜんぜん冷静でいられる。
 まともな反論を受けて感情が乱されるとしたらそれは乱した方が悪い」

という意見もあるだろう。

しかし、あえて言おう。

無理!

31 名前: 飲茶 投稿日: 2012-12-07 07:59:23
「反論されたときは、
 自分では気づかなかった問題点を教えてもらえたと思って、
 相手に感謝しましょう(^△^)」

なんて話を、議論の作法としてよく聞くが、
でもやっぱり「無理」だと思う。

僕たちは、ちゃんとした反論だろうが、なんだろうが、
公共の掲示板で面と向かって反論されると、
ドキっ』としたり、『グサっ』ときたり、
カッチーン』ときてしまう心の弱さを持っている。
そこは、もう正直に認めてしまっていいと思う。

32 名前: 飲茶 投稿日: 2012-12-07 22:47:58
どうしても、僕たちは、
勝ち/負け』『論破する/論破される』『優/劣
といった『二項対立』のパラダイムで『世界』をみてしまう。

そして、そういう『パラダイム(ものの見方)』を
持っているからこそ、
議論で反論を受けると感情がかき乱されてしまう。

議論が苦手』という人は世の中に多いと思うが、
その理由の根本は、結局のところ、この
議論=勝ち負け』という「パラダイム(思い込み)」
にあると思う。

ようは、
「なんか議論するとさ、反論したり、反論されたりで、
 なんかギスギスした空気になるじゃない。
 あの雰囲気って嫌なんだよね」
という話だ。

ようは、
「あるテーマについて議論したら、
 みんなで、わきあいあいとした雰囲気で
 やることができました。
 議論って楽しいですね。またやりたいです(^^)v
 ……なんてことになるケースがそうそうないから」
という話だ。

33 名前: 飲茶 投稿日: 2012-12-08 00:37:00
私は、この

「議論=勝ち負け(論者同士の対立)」というパラダイム

(議論とは勝ち負けではないと承知しつつも、
どうしてもそのように捉えてしまう僕たちのものの見方)

を変えたいと願っている。

しかし、とはいえ、
「対立はいけませんよ」とか
「相手の感情に配慮して反論を述べましょう」
といった『精神論』『お題目』を叫んだところで、
それが役に立つとも思えない。

だから、議論の構造自体を変更するべきだと思う。
それは次のようにだ。

「議論とは、仮想敵(モンスタークレーマー)を想定し、
 その共通の敵に向かって、
 『全員』が一丸となって論を補強していくゲームである」

もしくは、

「無批判に設定したある前提条件から出発したとき、
 どこまで反論と擁護の枝をのばすことができるのか、
 その限界に『みんな』で挑戦するゲームである」

34 名前: 飲茶 投稿日: 2012-12-08 09:18:26
(3)枝葉および横やりぎみな反論

さて、話を戻して、
枝葉および横やりぎみな反論』があったとき
王はどうすれば良いのだろうか?

この対処は、簡単である。

@王は、その「横やりの反論」を、議事録Wikiに記載し、
そこに『あとで議論するマーク』をつけておく。

Aその後、その反論は無視して、もとの議題に戻る。

以上である。

35 名前: 飲茶 投稿日: 2012-12-08 13:31:36
(補足)
議論するうえで、難しいのが「横やり発言」の扱いである。

たとえば、Aという方向に議論が進んでいたとする。
そこへ、おそるおそる、こんなレスが飛び込んできた。

「すみません、流れを切って申し訳ないですが、
 Bという方向性はどうでしょう」

それは、『枝葉レベルの荒いアイデア』で、
優先順位で言えば、まずAについて語り尽くす方が先であった。
が、『時系列に表示する掲示板』である以上、
どうしても『最後に発言した内容』が『目立って』しまう。

当然、みんなBに食いつき、Aについての議論が止まる。

そうこうしているうちに、今度は、違うアイデアCが現れ、
……とやっているうちに、Aについて忘れ去られてしまった。
まだまだAについては語り尽くされていなかったのに……。

36 名前: 飲茶 投稿日: 2012-12-08 15:46:13
こういう経験は、時系列式のスレッド掲示板で議論している人たちには
よくあることだと思う。

これがあるからこそ、僕たちは、
なかなか『横やり発言(横レス)』ができない。

もちろん、Aの話題が収束してから言えば良いのはわかっている。
でも、いつAの話題が終わるかわかったものじゃないし、
だいたい、今、せっかく思いついたのだから、
今のテンションで、今、言いたい!

で、結局、我慢できず「横レスすみません」と割って入り、
結果、議論の流れを変えてしまう。

37 名前: 飲茶 投稿日: 2012-12-08 18:38:41
そこで、気兼ねなく「横やり」できるように、
議事録Wikiの『マーク機能(付箋機能)』を活用しようという話だ。

つまり、たとえその「横やり」が
素晴らしいものであろうと、ツッコミどころ満載であろうと、
Aの方向に枝を伸ばしている最中なら、
王は、その「横やり」の存在を議事録Wikiに記載し、
あとで議論するマーク』をつけて保留しておくのだ。

こういうルールにしておくことで、
気兼ねなく「横やり」ができるようになる。

38 名前: 飲茶 投稿日: 2012-12-08 18:40:58
タグ機能について

横やりに関連する機能として、『タグ機能』を説明する。

なお、タグ機能は、『議事録Wiki(議論の大樹)』の核心部分
でもあるので『心して聞いて欲しい』。

タグ機能とは、
議論の参加者が、議事録Wikiの『特定の枝』を指定し、
それを自分の発言に『タグ』として関連付けることが
できる機能である。
(関連付けるタグは、あとから何度でも修正可能)

ここでちょっと実際に「議論の大樹」を育てながら、
タグ機能の説明をしてみよう。

39 名前: 飲茶 投稿日: 2012-12-09 01:28:16
まず、議事録wikiの『初期状態』が下図のとおりだったとする。
※ちなみに、「初期状態」は王が自由にデザインできる。

■主張X
 ⇒反論タグ(0件)

ここで『反論タグ』は、
元の主張に対して『反論を受け付ける場所』だと考えて欲しい。
(ちなみに、「意見を受け付けるだけのタグ」を『抽象タグ』と呼ぶ)

もし、あなたが、主張Xに対して「反論」を思いついたとするなら、
反論タグ』を指定して、書き込みを行えばよい。

※ただし、注意してほしい。
ここでいう『反論』は決して
「あなたの主張Xには、こういう問題があるから成り立たない」
という『否定(破壊)』のニュアンスのものであってはならない。
あくまでも、
「こういう問題点が指摘される可能性がありますよ」
という『提案』であり、
反論者は
指摘されそうな問題点の洗い出しに協力している
という自覚(騎士道精神)を忘れないでほしい。

40 名前: 飲茶 投稿日: 2012-12-09 13:23:26
さて、次の日、「議論の大樹」はこうなっていた。

■主張X
 ⇒反論タグ(3件)

どうやら、あなた以外にも反論を述べた人がいたようだ。

さあここで、王の出番である。
王は、反論タグに集まった発言から重要なものを取り上げ、
より具体化したタグ(具象タグ)』を作成し、枝を分岐させる。

その結果、「議論の大樹」は以下のようになった。

■主張X
 ⇒【反論】コスト的に見合わない(1件)
 ⇒【反論】その主張を支持する統計データが存在しない(1件)
 ⇒反論タグ(1件)

41 名前: 飲茶 投稿日: 2012-12-10 10:23:39
この『【反論】コスト的に見合わない』タグは、
抽象タグから分岐した『具象タグ(具体的なタグ)』である。

「具象タグ」には、以下の4つの情報を設定しなくてはならない。

@『タイトル』:タグ名(王のみ編集可)。
 ぱっと見て、どんな反論かわかるようなトピックス名。

A『責任者』:担当の騎士名。
 「分岐の元となった発言を述べた騎士」がデフォルトで任命される。

B『概要』:簡単な説明(王と責任者が編集可)。
 反論の主旨を理解していることを示すため、
 まずは王がタグ生成時に記述。

C『詳細内容』:長文の説明(責任者のみ編集可)。
 「分岐の元となった発言」がデフォルトで設定される。

※上記のとおり、王は、自由にタグは作れるが、
詳細内容』部分の書き込みは騎士にしかできない、
というところがミソである。

42 名前: 飲茶 投稿日: 2012-12-10 10:49:40
さて、王は、具象タグがうまく成立するようなら、
そのタグの下に『新たな反論タグ(抽象タグ)』を追加して、
さらなる反論意見を受け付けることができる。

■主張X
 ⇒【反論】コスト的に見合わない(1件)
  ・(概要)XXXXXXX
  ・(詳細内容)XXXXXXX...(全文表示)
   ⇒『反論タグ(0件)
 ⇒【反論】その主張を支持する統計データが存在しない(1件)
 ⇒反論タグ(1件)

そして、騎士たちは、
「コスト的に見合わない」という具体化された主張に対して、
どのような反論の可能性があるか』を『全員で一緒』に模索し、
アイデア(提案)』として、それを反論タグに追加していく。

――といった感じのことを、王と騎士は繰り返して
議論の大樹』の枝をのばしていく。

(そして、前述のとおり、王は、枝(タグ)に
いま議論したい』『あとで議論する
などのマーク(付箋)をつけて、育成の指揮ができる)

43 名前: 飲茶 投稿日: 2012-12-10 11:47:26
※ここまでの説明で『議論の大樹』がどういうものか、
 十分わかってもらえたかと思う。
ようするに、
「ブレーンストーミング(抽象、芽) ⇒ 意見化 (具象、枝)
 ⇒ ブレーンストーミング(抽象、芽) ⇒ 意見化(具象、枝)
  ⇒ ……」
といった展開になるよう、
議論の流れを最初からシステム化しておき、かつ、
その展開が自動的に『図示化』『タグ付け』されるよう工夫にした、
ということだ。

※ちなみに、「抽象タグ」は好きな名前をつけられるので、
さまざまな初期状態から始めることができる。

■主張X
 ⇒擁護タグ(0件)
 ⇒反論タグ(0件)

■アイデアX
 ⇒メリットタグ(0件)
 ⇒デメリットタグ(0件)

■課題Z
 ⇒改善策タグ(0件)

※なお、『議論の大樹(王を中心にみんなで作り上げる議事録)』を
育成するときは、
枝を伸ばしていくこと(止揚していくこと)』にのみ、
専心して欲しいので、 
根(前提)を掘り起こす行為』は極力避けて欲しいと考えている。

44 名前: 飲茶 投稿日: 2012-12-10 11:49:31
さて、話を戻す。
このようにして「議論の大樹」を育成していくと、
すべての発言は必ずなんらかのタグに関連付けられる
ことになる。

すると、
タグを指定してスレッドを表示する機能
を用いることによって
かなり議論が読みやすくなるだろう。

たとえば、

「【反論】コスト的に見合わない」から伸びたタグだけを表示する

と指示してスレッドを表示すれば、
「【反論】コスト的に見合わない」に関する
全ての発言(反論の反論も含む)を時系列に読むことができる。

46 名前: 飲茶 投稿日: 2012-12-10 11:51:08
【まとめ】このタグ機能により、以下のことが期待できる。

・タグ付けにより、そのレスが「議論の大樹」上の
 どの枝(論点)についてのものなのか、位置付けがはっきりする。

・反論Aと反論Bが並列に同時進行しても、従来より流れがつかみ易い。
 (なので、横レスしても大丈夫)

・遠い過去に流れ去った反論Aに
 新しい論点が見つかったときでも、議論が再開しやすい。
 (反論Aに関する発言だけ表示して読めるから)

・外部の人(もしくは途中から議論に参加したい人)が、
 あとから議論を追いかけるときでも
 「反論Aの枝だけ読みたい
 「時系列ではなく、トピックス順(反論A⇒B⇒C順)に読みたい
 といったニーズにこたえられる。

【重要】外部の人が、長大なレスをいちいち読まなくても、
 有益に議論ができているかどうか、『ぱっと見』ですぐにわかる。
 (議論に参加すべきかどうかの判断基準にできる)

以上までが『タグ機能』の説明である。

(続く:次は『王国の終焉』について)

この記事へのコメント
すてきなアイデアですね!
"その共通の敵に向かって、
 『全員』が一丸となって論を補強していくゲームである"
Posted by at 2017年08月26日 17:49

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