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2008年08月11日

経営者育成セミナー参加日記(10)〜カード〜


経営戦略ゲーム、再開!

1年目、手探りで進めてきた経営ゲームも、
やっと慣れてきたところである。

そして、2年目、
(僕以外の)参加者たちは、ついに勝負をしかけてきた。

(僕以外の)参加者たちの知略の限りを尽くした
熱い経営バトルがついに幕を開けたのだった。

まず、最初に、ある経営者が、莫大な金額を
自分の工場に投資し、大幅に設備を増強
工場を大きくすると、一度に生産できる商品の数が増えるのだ!

すると、負けじと、別の経営者たちも、続々と、
大金をつぎ込んで、自分の工場を増強しはじめた。

2年目幕開けと同時に始まった
工場の設備投資合戦!

そして、設備投資で増強された大工場に、
次から次へと、材料が運ばれる。
工場の機械がフル回転し、
大量の商品が一気に製造されていくさまは、
まるで、日本の高度経済成長期をみてるようだった。

そうして、作られた商品は、市場に流され、入札合戦

市場で儲けたお金で、さらに、工場を大きくし、
材料を買い込み……という具合に、
2年目開始時に、気前良く設備投資にお金をかけた経営者たちは、
すでに、プラスのスパイラルに入りつつあった。

それをみて、「まだ様子見」を決め込んで、
2年目開始にスタートダッシュをかけていなかった経営者たちも、
あせりだしたのか、次々と設備投資をはじめていった。

一方、僕はと言えば……。

1年目で、すでに破産同然の状況。
工場に投資できる余裕なんてなかった。

僕にできることと言えば、
借金して得たわずかな現金を加工費として支払って、
大量に買い込んだ材料を、すこしづつ、
商品に加工していくことぐらいである。

もちろん、工場は小さいままだから、
1ヶ月(1ターン)の間、工場をフル回転させても、
作れる商品は2個にすぎない。

僕は、大量に積みあがった材料の山を見上げながら、
毎月2個ずつ商品に加工すると……全部、加工し終わるには
と計算をはじめた。
その結果、とんでもない年数がはじき出され、
そ、そのころ、おれ、いくつだ……!?
と思わず、気が遠くなりそうだった。

なにか、一発逆転できるようなイベントカードはないのか!

そう思って、必死に、取扱説明書のページをめくると……

あった……。

「材料輸出」のイベントカード。

自分の倉庫にある材料を、買い値より少し高い金額で、
売ることができるイベントカードだ。

このカードを使えば、倉庫に大量に積みあがっている材料を
すべて現金に戻すことができる!
しかも、買い値より高く売れる!


そもそも、今、問題なのは、勘違いして材料を大量購入して、
現金のほとんどを失くしてしまい、
何の身動きも取れなくなっている」ということだ。

でも、もし、倉庫にある材料をすべて現金に戻せれば、
最初にやってしまった「買占め戦略の失敗」を
なかったことにできる!
すべてリセット!再出発可能!


これだ!『材料輸出』カード!
 このカードを引けばいいんだ!

やっと見つけた希望の光。
このカードを次のターンで引けば、すぐさま復活だ。
多少出遅れてはいるが、十分に挽回可能!
自分は、まだ終わってなどいなかったのだ。

だが、説明書のページをさらにめくると、
とんでもないカードがあることがわかった。

「火事」のイベントカード。

そのカードを引くと、倉庫の材料が、
火事ですべて燃えてしまったことになり、
持っている材料をすべて 材料置き場に戻さなければならない。

一応、「保険」のイベントカードを引いて、
あらかじめ保険を支払っていれば、
火事カードを回避することができるのだが……。

ちょ、ちょ、ちょっとまってよ……!!
倉庫の材料がすべてなくなる……だって!?


自分は、たしかに、材料買占め戦略に失敗した。
でも、実のところ、決して損をしたわけではない。
ただ、「お金」が「材料」に、変わっただけなのだ。

たしかに、借金の利息が支払えず、破産はしたが、
材料を差し押さえられたわけでもないし、
銀行から融資をさらに受けることもできるわけで、
破産といっても、あくまで形式的な話にすぎない。

それに。
よくよく考えてみると、倉庫に眠っている材料に
買った金額分の資産価値がある」と認めるのなら、
資産的には、それほど悪い状況ではなかったりする。

結局のところ、
材料を買いすぎて、動かせる現金がなくなってしまった
というだけの話で、
「材料」が、元の「お金」に戻せれば、万事解決する
という程度の状況なのだ。

だが……。

もし、「材料輸出」カードや「保険」カードではなく、
「火事」カードの方を先に引いてしまったとしたら……
その「材料」が、火事ですべて無くなる、ということで……
それはつまり、
「限界まで借金したそのお金」が、なくなる、ということ、
それはつまり、
借金して得たお金をただドブに捨てた、ということ……。

その想像にぞっとした。

無一文。
そして、ただ残るは、莫大な借金。
それはあまりにも、決定的……
決定的すぎる完璧な破滅!


はい、次は、飲茶さんの番ですよ

いつの間にか、自分の番だった。講師がよびかける。

どうする?ここは、目をつぶって、
材料輸出カードを引くことに賭けるか?

いやいや!だめ!絶対、だめだ!
「火事」カードを引いてしまったら…………
すべてが終わってしまう。
そうなったら、今度こそ、本当の破産。挽回不可能。
もう生命保険に入って、死んでお金を返す以外に道のない
完全な樹海行きコースじゃないか。

だめだ!やっぱり、イベントカードを引くという選択は、
あまりにもリスクが高すぎる!


でも!でもっ……!それでもっ……!

それでも、やっぱり、ことここに到っては、
もはや、材料輸出カードを引くしか道が無いんじゃないか……!?

逆転の可能性は、材料輸出カードを引くことだけ。
「処理しきれない大量の材料をイベントカードで、現金化する」
という方法しかないんじゃないのか!?


うぐぐぐっぐぐっぐぐうっぐぐっぐう(ぼろぼろ)

……どうしました?飲茶さんの番ですよ

再び、講師がよびかける。

カードだ、やはりカードを引くしかないんだ……
ううぅ……でも……、
万が一にも、「火事」カードを引いてしまったら……。


いいや、恐れるな!引くんだ!恐れを乗り越えろ!
もう、自分には、カードを引くという選択しか
残されていないんだ!


たとえ、その先が、破滅であっても……!

引いてやる!カードを引いてやる!
カードカードカードカードカードカードカード
カードカードカードカードカードカードカード
カードカードを引くと言うぞ!

「カ…………!」



この記事へのコメント
リスクヘッジができないと正直身動きできないですね。

この場合はカードの山札・捨て山に「火事」と「材料輸出」が各何枚あるか分かれば
数学的に損得勘定ができるんですけどね・・・・

取説にその辺が書いてあるかどうか気になりますね〜。

(飲茶)す、するどい、さすが、せーきさん。
Posted by せーき at 2008年08月11日 20:43

今更なんですけれど、このゲームって
モノポリーみたいに口頭による交渉ってできないんですよね?

それができれば、
「市場価格の7割ほどで材料を買いませんか?」
なんて交渉を他人にしかけ、
材料を減らしてお金を得ることもできるんでしょうけれど。
(まぁ、当初よりも資産は目減りするでしょうけれども…。)

あ、あとさりげにカイジ的世界観にジョジョが混じってるのは仕様ですか?

(飲茶)それは仕様です。(笑)

交渉は、やっているときは、全然、気がつきませんでした。説明書にも書いてなかったし。
でも、実は、できたのかもしれませんね。
交渉しても「しぶしぶだが、認める」みたいに、講師が黙認するとか。
Posted by Hybrid at 2008年08月12日 05:05

カイジっぽい緊張感にJOJOっぽい台詞が散りばめられていく展開かな。
「いいや!“限界”だッ!押すねッ!」みたいな台詞を期待してますw

(飲茶)JOJOネタもがんばります!w
しかし、JOJOの作者はすごいですよね
「いいや!“限界”だッ!押すねッ!」
とか、言っている内容は普通なのに、このインパクトw
Posted by ひつじ at 2008年08月12日 09:21

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