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2008年09月03日

ひとりの限界はどこか?

みなさん、「ひとりの限界」ってどこにありますか?

ここでいう、「ひとりの限界」とは、
ようするに、以下のような質問に答えていき、
どこまでが、(自分が)ひとりで行けるラインなのか?
を探るというお話です。

たとえば、
ひとりで、カラオケに行けますか?
ひとりで、映画館に入れますか?
ひとりで、焼肉できますか?
ひとりで、遊園地に行けますか?
ひとりで、観覧車に乗れますか?
ひとりで、居酒屋に入れますか?
ひとりで、ファミレスに入れますか?
ひとりで、旅行に行けますか?

きっかけは、先日、友達と話していたときのことでした。

飲茶「最近、ひとりでファミレスに行ってさ〜……

友達「え〜、オレ、ファミレスにひとりで入れないよ

飲茶「え、なんでー?全然ひとりで入れるでしょ

と意見の食い違いがあったのです。

それで、色々聞いてみたら、
ひとりで、居酒屋に入れない
ひとりで、映画館に入れない
などなど、僕にとっては、
わざわざ、ひとりで行こうとは思わないけど、
 別に行こうと思えば、いけるよー

というところで、「いやいやいや、絶対ありえない!
と頑なに拒絶的反応を示すのです。

そこで、周りの友達にも、このことを聞いてみたところ、
人それぞれのさまざまな「ひとりの限界ライン」があって、
なかなか面白かったです。

たとえば、「ひとりカラオケ」「ひとり映画館」のラインを
越えられるツワモノでも、なぜか「ひとり焼肉」だけは無理とか。
(その理由は、どうも「ひとりの姿を他人から見られるかどうか
が境目になってるようでした)

色々分類わけすると面白いですよ。
・ポリシーとして、ひとりで行くのが許せないタイプ
・「そこはひとりで行くものではない」
 という理屈を超えた思い込みがあるタイプ
・店員に怪訝な顔をされるのが怖いタイプ
・周りが複数人でにぎやかなのに、
 自分だけひとりなのが駄目なタイプ
・複数人で入るのが前提の「密閉された空間」に
 ひとりで入るのが駄目なタイプ
・他の客から見られなければ、いいと思うタイプ
・いっさい、気にしないタイプ

ちなみに、飲茶は、
「ひとりカラオケ」「ひとり焼肉」「ひとり映画館」
もすべて経験ありで、問題ありません。
そんな自分の限界はどこだろうと、探ったところ、
実は「ひとりボーリング」というところに、
うわ、それはちょっと無理」という限界ラインがありました。

いや、ちゃんとボーリング専用のグローブをつけたり、
それっぽい服装をしていれば、きっと出来ると思うのですが、
たとえば、ジーパン的な私服でふらっと来て、
ひとりでボーリングをやる、というシチュエーションだと、
いやいやいや、絶対ありえない!
という拒絶の気持ちが浮かんできます。

どうも、グローブとかをつけていると、
「ああ、練習に来たのだな」
と周りがみてくれるだろう、だから大丈夫という
考えがあるようです。(^^;

こんなふうに、「ひとりの限界」のラインを調べて、
なぜこれは良くて、これは駄目なの?」を探っていくと、
うわ、自分ってこういうこと気にしていたのか
とわかって、なかなか面白いです。(^^)

――――――――――――――――――――――――

靴を履かずに庭に下りる……

なんだかよ………縛られてるよな
これっぽっちのことでも……
この程度のことでも……縛られている

しかしそもそも
なんでそういう事をしちゃいけないかというと
靴下が汚れないようにとか……
このまま上がれば廊下が汚れるとか……
その程度のことだ

でも……そんなものこうして
払えばいいだけのことだろ……!
だから……もし気分が動けば……
どんどん歩けばいい……!
何の不都合もあるもんか…!

しかし……どうもそれが出来ない……
こんなちっぽけなことも……
晴れ晴れと出来ない……!
不自由だ……訳も分からず……!

あいつ……赤木は……歩くだろう……!
何も気にかけず……スッ…と庭に下りるだろう……!

「天」 福本伸行

#いつか何も気にかけず……スッ…とひとりでボーリングに行けるように
僕もがんばりたいと思います。

2008年09月30日

経営者育成セミナー参加日記(11)〜隙〜


火事のイベントカードを引いてしまったら、即座に破滅。
しかし、もはや、逆転の可能性は、材料輸出カードを引いて、
抱えている大量の材料を現金化すること、それ以外に無い。

それ以外に選択肢がないのだから、どんなリスクがあろうと、
ここは目をつぶって、カードを引くしかない!

そうさ!このまま、座して……まるで死んでいるかのように、
無為なときを過ごすぐらいなら、逆転の可能性を信じて、
破滅という業火の中へ飛び込んだ方が、どれだけマシか……!

だから、失敗を……リスクを……恐れるな!

「どうしました?飲茶さん、次の行動を宣言してください」

次の行動を催促する講師。もう心は決まっていた。

カ…………!

だが……。

カードを引きます……、講師にそう言いながら、
カードに向かって手を伸ばしたとき、
僕は、見てしまった……。講師の輝くような笑みを……。

にこにこにこにこ……

もともと、講師は、ゲーム中は、基本的に愛想よく、ずっと微笑んでいる。
だから、講師が笑顔でいること自体は、それほど不思議なことではない。
だが、なぜだろう……僕がカードを引きますと言おうとしたそのとき、
まるで灯りがついたかのように、その笑顔がぱっと輝いたように見えたのだ。
そして、その笑顔が、僕には、悪魔的でおぞましいものに見えた。

ニコニコニコニコ……

う、ううぅぅぅっぅうぅぅぅ………
な、なんなんだ、この感覚は……?


僕は、即座に、自分の中に芽生えた違和感の原因を探った。
そして、ある結論にたどり着く。

……そうか……この講師は……こいつは、すべてわかっているんだ
今、僕が、何を考え、何を恐れ、何に怯えているかを……

生き残りをかけて、材料輸出カードを引くしかないことも……
火事カードを引いて破滅することを恐れていることも……


それは、そうだ。彼は講師だ。このゲームのルールは、
当然のごとく、熟知しているに決まっている。

ニヤニヤニヤニヤ……

く、くそ……こいつ!愉しんでやがる!

もしかしたら、それは、ただの被害妄想だったのかもしれない。
だが、僕には、講師の笑顔の裏に「他人の破滅を楽しむ歪んだ愉悦
があることをはっきりと感じとっていた。

後になって、冷静に考えるなら、その気持ちは、わからなくもない。
だって、限界まで借金して、買占めのつもりで買い込んだ材料が、
一瞬にして、火事で消滅するなんて大破滅、
はっきりいってネタ以外の何物でもない。
おそらく、経営戦略ゲーム始まって以来のことだろう。

実際、もしそうなったら、きっと、参加者たちは、あまりの破滅っぷりに、
大爆笑するだろう。場は笑いに包まれ、盛り上がるに違いない。
そして、講師は、この破滅エピソードを後々まで笑い話として
語り継いでいくだろう。

他人の不幸は蜜の味。
しかも、それが、
決定的な大破滅であれば、なおさらのこと。


くそくそくそ!

材料を2個、商品に加工します!

僕は、吐き捨てるように言った。

講師は、「……わかりました」と
意外そうに、そして、残念そうに言った。

ほらみろ、やっぱり、そうだ。
こいつは、俺が、破滅することを……
愉快な大破滅が起きるのを……
心待ちにしていやがるんだ!


くそくそくそ!腹立たしい!

万が一、火事カードを引いて、講師の望む展開になったらと思うと、
悔しくてたまらない……!

…………!

待てよ!もしかして、それ……
逆手にとれないか!?


突如、飲茶の脳裏に、ひらめきが走る!

えーと、えーと……

今、場にあるカードの山の中に、
火事カードが何枚、入っているか、自分は知らない。
1枚なのか、2枚なのか、それとも、3枚なのか。
まったくわからない。不明だ。

だが、もし、火事カードが2枚しかないとして、
そのことを、もし自分が知っているとしたらどうだ?

決まってる。火事カードは2枚しかないのだから、
他の人が、2枚目の火事カードを引くまで、黙って待てばいい。

2枚目の火事カードがでたら、
もう、火事カードがでる可能性は0%なのだから……
完全にセーフティ!
破滅の心配もなく、カードを引くことができる!

つまり、カードの山の中に、火事カードが何枚あるかを知っていれば、
こういう方法で、リスクをゼロにすることが可能だ。

だが、僕たち、ゲーム参加者には、その情報は知らされていないので、
実際には、その方法はできない……。

だが!

おそらく、その情報を知っている人間が、ここにひとりいる……!

講師だ!

やつは、きっと知っている。
もちろん絶対ではないが、知っている可能性は高い。

もしだ。
仮に、火事カードが2枚しかないとして、他の人が、2枚目を引いたとき……
講師だけは、火事カードがもう二度と出ないことを知っているはずだから、
きっと、がっかりするはず。
もしくは、僕が、カードを引こうとするとき、
さっきのような笑顔にはならないはず……。
だって、ヤツが、望む面白いことは、もはや起きないのだから。

うう……、い、いける……!

参加者ではない講師の表情から、
カードの情報を読み取ろうなんて、まさに「理外の理」。
講師だって、思いもよらないはずだ。

それに実際、今まで、何度も、講師の表情や態度から、
ゲームのヒントを得てきた……!
そう……明らかに、ヤツには隙がある……!
それは「自分はゲームの参加者じゃない」というココロの隙……!
それを今度は、積極的に利用してやるのだ……!

それに、だいたい、
他人の破滅を願って笑みがこぼれるようなヤツの
思い通りになってたまるかよ……!
逆に、その笑みを利用して、のし上がってやる……!

それにしても……

と飲茶は思う。

ついさっきまでの自分は、
運否天賦、一か八かでカードを引くしかないと思っていた。
だから、目をつぶってカードを引くしかないと考えていた。
それ以外に、ありえないと思っていた。

でも、実際には、こんなふうに、
生き残るための確率を高める「戦略」があったのだ。

あきらめなければ、どんな状況であろうと、
勝つ道は必ずあるということなのか!


あきらめなければ……あきらめなければ……!